
世界三大美術館のひとつ、あの有名なパリのルーブル美術館。年間800万人が訪れる世界一来館者数の多い美術館で、海外旅行好きな方なら訪れたことのある方も多いでしょう。
ルーブル美術館の館内は広大で、収蔵品の数は38万点以上、展示品の数は約3万5千点といわれています。じっくり鑑賞するには、とても1日では足りません。一度行ったことのある方でも、もう一度訪れたいと思うはず。
そんなルーブル美術館を模したルーブル彫刻美術館なるものが三重県津市にあると知り、行ってきました。
ルーブル彫刻美術館に行ってみました

巨大なサモトラケのニケ、ミロのヴィーナスの像とルーブル・ピラミッドのガラスの三角屋根がお出迎え。なぜか自由の女神像も…!


建物の向かいには、黄金に輝く巨大な観音様が!大観音寺というお寺で高さ33メートルのなんと純金の観音様だそうです。大観音寺とルーブル彫刻美術館がセットになった入場券も販売してました。

ルーブル彫刻美術館とは


ルーブル彫刻美術館の展示作品は、ルーブル美術館をはじめ、大英博物館やメトロポリタン美術館等の有名美術館に展示されている作品から直接型を取り、実物と同じように作られた復刻作品ということです。
直接型取ったものですから、オリジナルの作品にある小さな傷ひとつに至るまで精巧に再現されています。
まだ誰もが海外旅行を気軽に楽しめるものではなかった時代。初代館長の竹川勇次郎さんがパリのルーブル美術館で「ミロのヴィーナス」を見て感動し、日本でも公開したいと交渉したのがはじまり。デリケートな彫刻作品の実物から型を取ることは作品を傷つけるリスクがあることから断られましたが、何度もフランスに渡り交渉を重ねたそうです。
熱意が通じ、約1,300点の作品がルーブル美術館の美術部長指揮のもとで制作され、1987年12月16日、ルーブル彫刻美術館は開館しました。
ルーブル彫刻美術館の展示作品と鑑賞のポイント
有名美術館で、さらにお目当ての作品が有名なものだと周囲に人だかりが出来て、なかなか近寄ってゆっくり鑑賞できないことも経験があると思います。
1つの作品を自分のペースで、いろんな角度からじっくり鑑賞できるのがこのルーブル彫刻美術館の最も良いところだと感じました。
例えばロゼッタストーン(大英博物館所蔵)
上段に古代エジプトの神聖文字(ヒエログリフ)、中段に民衆文字(デモティック)、下段にギリシア文字で同じ内容の文章が刻まれていて、これによって古代エジプトのヒエログリフを解読する鍵になったものです。
私が大英博物館に行った時に撮った写真はこちら。

人が多くてやっと正面まで行けましたが、ガラスケースの中なので反射もするし、文字のひとつひとつをじっくり見るのはなかなか難しかった記憶があります。
対して、ルーブル彫刻美術館では覆うものもなく、存分に顔を近づけてこの歴史的な石碑の一字一字を目で追うことができます。


いくつかルーブル彫刻美術館で見られる作品をご紹介します。

古代ギリシャの女性像。初代館長がこの作品を日本に!と惚れ込んだのも納得の美しさです。


躍動感のある体のラインと筋肉の美しさにほれぼれします。

フランスの英雄ナポレオンのデスマスク、めっちゃイケメンですね。実物はフランス・マルメゾン城蔵

ルーブル美術館の超有名作品、サモトラケのニケは入口からすぐの場所に。建物の中央には千手観音菩薩像があり、和と洋の融合でしょうか。不思議な感覚です。
なんと本当に1,000本の手があり、世界最大級の大きさだそうです。

個人的に大好きな古代エジプトの動物をモチーフにした作品。どちらも実物はアメリカのメトロポリタン美術館の所蔵です。


まとめ・ルーブル彫刻美術館のへアクセス
ルーブル彫刻美術館は、一見B級のにおいが漂いますが、展示物は一級品。
さっと一通り見るだけなら30分ほどで一周できる広さの美術館ですが、ぜひ一度ゆっくりと時間のある時に訪れることをおすすめします。
大小様々な作品の中から、お気に入りを見つけてみてください。